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現実に目を閉ざすものは、未来に盲目である

目をそらさずに観て欲しいです。
もう、こんな世界に足を踏み入れてしまったことを。
子供の未来は大人の選択にかかっているんだ。



以下は1997年1月逝去した元1級プラント配管技能士平井憲夫さんの記事です。
そう、15年も前の話です。。。

住民の被曝と恐ろしい差別

日本の原発は今までは放射能を一切出していませんと、何十年もウソをついてきた。
でもそういうウソがつけなくなったのです。

原発にある高い排気塔からは、放射能が出ています。
出ているんではなくて、出しているんですが、
二四時間放射能を出していますから、その周辺に住んでいる人たちは、
一日中、放射能をあびて被曝しているのです。

ある女性から手紙が来ました。
二三歳です。便箋に涙の跡がにじんでいました。

「東京で就職して恋愛し、結婚が決まって、結納も交わしました。
ところが突然相手から婚約を解消されてしまったのです。
相手の人は、君には何にも悪い所はない、自分も一緒になりたいと思っている。
でも、親たちから、あなたが福井県の敦賀で十数年間育っている。
原発の周辺では白血病の子どもが生まれる確率が高いという。
白血病の孫の顔はふびんで見たくない。
だから結婚するのはやめてくれ、といわれたからと。
私が何か悪いことしましたか」

と書いてありました。

この娘さんに何の罪がありますか。

こういう話が方々で起きています。


この話は原発現地の話ではない、
東京で起きた話なんですよ、東京で。

皆さんは、原発で働いていた男性と自分の娘とか、
この女性のように、原発の近くで育った娘さんと
自分の息子とかの結婚を心から喜べますか。

若い人も、そういう人と恋愛するかも知れないですから、
まったく人ごとではないんです。 

こういう差別の話は、言えば差別になる。
でも言わなければ分からないことなんです。
原発に反対している人も、原発は事故や故障が怖いだけではない、
こういうことが起きるから原発はいやなんだと言って欲しいと思います。

原発は事故だけではなしに、人の心まで壊しているのですから。


私、子ども生んでも大丈夫ですか。
たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ。


最後に、私自身が大変ショックを受けた話ですが、
北海道の泊原発の隣の共和町で、
教職員組合主催の講演をしていた時のお話をします。

どこへ行っても、必ずこのお話はしています。
あとの話は全部忘れてくださっても結構ですが、
この話だけはぜひ覚えておいてください。

その講演会は夜の集まりでしたが、
父母と教職員が半々くらいで、およそ三百人くらいの人が来ていました。

その中には中学生や高校生もいました。

原発は今の大人の問題ではない、
私たち子どもの問題だからと聞きに来ていたのです。

話が一通り終わったので、私が質問はありませんかというと、
中学二年の女の子が泣きながら手を挙げて、こういうことを言いました。 

「今夜この会場に集まっている大人たちは、大ウソつきのええかっこしばっかりだ。

 私はその顔を見に来たんだ。 どんな顔をして来ているのかと。
 今の大人たち、特にここにいる大人たちは農薬問題、ゴルフ場問題、原発問題、
 何かと言えば子どもたちのためにと言って、運動するふりばかりしている。
 
 私は泊原発のすぐ近くの共和町に住んで、二四時間被曝している。
 
 原子力発電所の周辺、イギリスのセラフィールドで
 白血病の子どもが生まれる確率が高いというのは、本を読んで知っている。

 私も女の子です。年頃になったら結婚もするでしょう。

 私、子ども生んでも大丈夫なんですか?」

と、泣きながら三百人の大人たちに聞いているのです。
でも、誰も答えてあげられない。


「原発がそんなに大変なものなら、今頃でなくて、
 なぜ最初に造るときに一生懸命反対してくれなかったのか。

 まして、ここに来ている大人たちは、二号機も造らせたじゃないのか。

 たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ」
と。

ちょうど、泊原発の二号機が試運転に入った時だったんです。

「何で、今になってこういう集会しているのか分からない。
 私が大人で子どもがいたら、
 命懸けで体を張ってでも原発を止めている」
と言う。

「二基目が出来て、今までの倍私は放射能を浴びている。
 でも私は北海道から逃げない」って、泣きながら訴えました。

私が「そういう悩みをお母さんや先生に話したことがあるの」
と聞きましたら、
「この会場には先生やお母さんも来ている、でも、話したことはない」
と言います。
「女の子同志ではいつもその話をしている。結婚もできない、子どもも産めない」って。

担任の先生たちも、今の生徒たちが
そういう悩みを抱えていることを少しも知らなかったそうです。

これは決して、原子力防災の八キロとか十キロの問題ではない、
五十キロ、一〇〇キロ圏でそういうことがいっぱい起きているのです。
そういう悩みを今の中学生、高校生が持っていることを絶えず知っていてほしいのです。



ドラゴンアート日記「Don't think, Feel !!」

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